「事業フェーズ」で会社を捉え、「時間軸」でキャリアを見据える。 転職のプロが教えてくれた“新たな視点”がキャリアの可能性を広げてくれた
ダイレクトリクルーティングが盛んなこの時代に転職エージェントを使う理由はなんでしょうか?キャリアの相談、応募書類の作成、面接準備…いろんな期待があると思います。
今回ご紹介するのは、ミライフのキャリアサポートを受けて転職活動を行なった山田さん(仮名)。山田さんは新卒入社した会社で13年間、マーケティングをメインにご活躍されてきた35歳(2023年5月当時)の方です。
山田さんはどのようなプロセスで転職活動を成功させたのでしょうか?ミライフキャリアデザイナーの小森翔とともに、これまでの転職活動を振り返ります。
「この人であればキャリアの相談ができる」プロフィールを読み込んでくれていることがわかる、ミライフからのメール
ーーまず、山田さんのこれまでのキャリアと転職活動に至った経緯についてお聞かせください。
山田さん:新卒から大手企業で13年間、マーケティングを中心に経験してきました。新卒配属された部署では一つの製品を担当して、それをどう拡販するかをメインに取り組んできました。会社のフェーズが変わるにつれて、一つの製品だけではなく事業部全体や組織課題を抱えた他国へ出向き、現場でマーケティング活動を行いながら、その国に合ったものを一緒に作っていくことに取り組んできました。
転職を考えたきっかけは、会社の期待とやりたいことのギャップです。今までは、広く現場と関わりながら裁量権を持って仕事ができていたのですが、組織が拡大するにつれて分業が進み 一人で担当できる業務範囲が狭くなってしまったんです。私は特定の機能ではなく幅広く業務に関わっていきたいとの希望があり、会社の期待とやりたいことにギャップが生じてきたので転職を考えました。
ーー転職活動を始めるにあたってミライフに登録してくださったきっかけは何でしたか。
山田さん:求人サイトに登録したところ、企業や複数のエージェントから連絡をもらいました。その中でミライフ小森さんからのメールは、具体的に私のプロフィールを読んでいただいている印象を受けました。この方であれば信頼ができそうで、キャリアの相談もできるのではないかと考えミライフに面談を依頼しました。
「キャリアの深掘り」転職理由の背景や志向性を理解し、“事業フェーズ”の切り口で現状を整理
ーーミライフとして、当時の山田さんにどんな印象を抱き、どのような支援をしてきましたか。
小森:転職を考えている理由を聞いた時に、山田さんの「ありたい姿」と「会社の中で用意されているキャリア」にズレが生じてきていると感じました。山田さんの会社の事業は成長フェーズにあり、それに伴い業務の分業が図られているという状況でした。そこは事業成長における組織の構造としては仕方なくて、むしろ会社としても良い状態であると思いました。
山田さんとしては、マーケティング担当者として専門性を高めるというより、広く事業全般に関わりたいと考えて転職を考えていらっしゃいました。山田さんが葛藤を抱える理由や考え方、どんなことに遣り甲斐を感じるのかを理解したいと思い、幼少期の頃から話を聞かせてもらいました。
山田さん:自分のキャリアをしっかり深掘りしていただいたという印象です。他のエージェントもキャリアを深堀りはしてくれたのですが、小森さんと話した時が、一番自分の置かれている現状を分かりやすく整理することができました。
また、面談の中で会社を「事業フェーズ」という切り口で見ることを教えてくれました。0から1を作る段階もあれば、1から10、10から100とか、フェーズ毎に求められる能力や遣り甲斐があると。今後のキャリアを考えるにあたって、自分がやりたいことをやっていくためには今の会社の事業フェーズが合っておらず、他のフェーズの会社がいいのではないかと、「事業フェーズ」の切り口で客観的に現状を言語化していただけたことがとてもわかりやすかったです。
転職活動を行う中で気づいた「時間軸でキャリアを見据える」ことの大切さ。目先のやりたいことだけに捉われず、50代〜60代でどう働いていたいかを考えてキャリアをデザインしていく
ーー小森がサポートさせていただいた中で、具体的にはどんなことがご自身への気づきにつながりましたか。
山田さん:新たな気づきとしては「キャリアを時間軸で捉える」という考え方です。当時、私としては目先のことだけを考えて自由度の高い仕事がしたいと考えていました。自由度が高い仕事というのは、自分で意思決定できる範囲が広く多くの人に貢献できる仕事と捉えているのですが、異動予定の部署では、かなり限定的な業務になるため、自分が希望する仕事に合わないと考えていました。
小森さんと一緒に転職活動を進めていく中で、目の前しか見えていなかったのが、長い時間軸で「自由度の高い仕事をするためにどんなキャリアを描くべきか」を考えられるようになったことは大きな気づきでした。これは、実際に転職活動をしてみたからこそ気づくことができたと思っています。その理由は2つあります。
一つは、いろんな会社を比較することによって様々なキャリアの選択肢が見えてきたことです。自分の転職活動のきっかけとなった「自由度」をベースとして担保した上で、自由度の次に何が大切かを考えました。近視眼的なところからより遠くも含めて、その会社であればどのようなキャリアが築けるのかというところが見えやすくなりました。
二つ目は、実際に選考を進めていく中で、「本当にその会社に入社するか」を考えると、 将来的な部分も考えないと決断ができないということが明確にわかったことです。
将来的に“自由度高く働く”ことを見据えて「自分自身のスキルを絶対的に強いものにする」複数の内定から一番フィットする会社を選択
ーー最終的には3社の内定を獲得されましたよね。おめでとうございます!一方で悩まれたと思うのですが、どのようなプロセスを経て決断をされましたか。
山田さん:最後に決断する上で大事にしたことは、先ほどお伝えした「時間軸」でキャリアを見据えることです。50代60代と年齢を重ねても、自分が希望するように自由度高く働くためには、自分自身のスキルを絶対的に強いものにしておく必要があると考えました。それを踏まえて、今35歳からのキャリアをどの会社のどのポジションで経験を積むことが自分の目指す方向に合致しているのかを考えた時に、一番適していたのが入社を決意したSaaS企業でのBtoBマーケティングポジションでした。
小森:最後内定が3社出て、「最終的にどんな軸で決めましょうか」という話を山田さんとしました。元々の転職のテーマで考えた時に、やりたいことも一緒に働く仲間、諸条件も含めて3社のうちのA社とB社の2社は山田さんが希望する条件を満たしていました。そのため、山田さんの中で決断するためには、もう一度転職の軸を整理をする必要がありました。
当初考えていた短期的に掴めるキャリア軸で考えると、自由度高く働けて、転職理由にも合致しているA社の方がいいかもしれないという状況でした。一方で、長期での「自分のありたい姿」を考えると、よりこれまでの経験も活かせて、キャリアに一貫性を持たせることができるのはB社の方でした。山田さん自身大変悩まれた中で、最終的には、キャリアに一貫性を持たせることがご自身のスキルを絶対的に強いものにすると考えて、B社への入社を決断されました。
ダイレクトスカウトが盛んなこの時代に転職エージェントを使うメリットは?“キャリアの深掘り”から「自分が気づいていない転職軸」を見つけて言語化してくれるエージェント
ーー小森と転職活動を行ってきた中で印象に残っていることはありますか?
山田さん:面談の中で、レジュメに記載している情報以外のところもキャリアを深掘りしてくれて、求人を提案していただいたことです。ダイレクトスカウトが発達してる今、エージェントの価値は「今ここにない出会い」を繋いでくれるかどうかだと思います。
もう一つは、「自分の知らない軸を提案いただける」というところが大事なのではないかと思います。私もダイレクトスカウトで内定をもらった会社もありますが、 小森さんに出会わずに転職活動をしていたら、時間軸や事業フェーズで会社を見るという切り口で転職先を選んでいませんでした。おそらく自由度の高い会社かどうか、あとは勤務エリアなどを見るくらいで、本当に自分に合う会社か確信を持って決断できなかったように思います。
一般的には、転職回数は多くても一人数回で、どんなに多くても5、6回ぐらいかと思います。それに比べてエージェントの方が人の転職に携わってきたトータルの回数は数十、数百の数になると思うんです。その分いろんな転職軸を知っていて、求職者の状況や希望に合わせて軸の提案ができると思っています。
ーー転職活動全体を振り返ってみて、ミライフのサービスにどのような感想をお持ちですか?
山田さん:今回サポートいただいた中で小森さんはとても“いい塩梅”だと感じました。「距離感の絶妙さと関わり方の良さ」が母親のような感じでした。あまりに近すぎても怖いし、ビジネスライクすぎても冷たいし、ちょうど中間的な感じだったんです。
小森さんは単にキャリアの深掘りをするだけではなく、その中でいろんな軸を見つけようとしてくれて、そこをちゃんと言葉にしてくれました。求人を提案する数もちょうどいい。提案いただく求人が多すぎたら適当に選んでるんだろうなと思いますし、逆に少なすぎたら選択肢が狭まり過ぎて不安感もあるので。そこの塩梅がちょうど良かったです。
あと、会社紹介の際に求人票にミライフの独自情報の記載があるのもすごく良かったです。口コミサイト等で調べようと思えば自分でも調べられるのですが、応募前の段階では、気になる会社じゃないと調べないと思います。求人を提案いただいた時点で、ミライフ視点での会社情報が記載されているのはすごくありがたかったです。他のエージェントでは、成長率や会社の雰囲気など表面的な内容のみ記載しているところもあるので、具体的な会社情報が深掘りして書かれているのは、会社情報を知るという意味ではよかったです。
小森:いい塩梅って本当に人によりますね。「将来のありたい姿」や「やりたいこと」が明確に決まっている方であれば、「ミライフで紹介できるのはこの2社しかありません」みたいなケースもあると思います。できるだけ「なぜ辞めるのか、これからどうしたいのか」との話を受け止めつつ、その裏側にある背景や原因となっている構造のようなものに思いを馳せるようにしています。
転職活動というのは転職を絶対にするぞと決めてやるというよりは、自己分析や自分のありたい姿を考えるような行動だと思っています。頭だけで考えて決断することはあまりなくて、考えた上で行動することで新たな自分の感情に出会い、どうキャリアを選ぶかを決めていく。現職に残るにしても転職するにしても、あるいは全然違う選択肢を取るにしても、考えて動いてその結果得られたものは、次の歩みに対して力強さを生んでくれると思っています。今回、山田さんが考えて動く時のお手伝いができたのならば、これ以上嬉しいことはないですね。
ーー最後に、ミライフをどんな人にお勧めしたいですか?
山田さん:仲の良い人にお勧めしたいですね。やっぱりちゃんと幸せになって欲しいですから良いエージェントを勧めたいです。
あとは「モヤモヤしてる人」や「 やりたいことを決めきれていない人」がミライフに相談するのは非常にお勧めです。やりたいことを決めきれていない人が、ダイレクトスカウトで内定をもらって入社したとしても本当に良かったかどうかわからないと思うんです。
「明確に会社を辞めたいと考えている人」にとっても転職軸の整理をしてもらえたり、新たな軸の提案をしてもらえたり、そういう意味でミライフに相談いただくのも良いのではないかと思います。
小森:そう思ってもらえることがすごく嬉しいです。山田さんもおっしゃいましたが転職って人生で何度もしないので「転職に精通している一般人の方はいない」と思います。だからこそ、キャリアデザイナーとして重要なキャリアの決断に何度も触れてきたということ自体が私たちの価値だと思っています。
あとがき
ダイレクトスカウトが盛んなこの時代に転職エージェントを使うメリットは、「今ここにない出会い」を繋いでくれること、「自分が気づいていない転職軸」を提案してくれることだと山田さんは語ります。大切な人生の岐路だからこそ、豊富な転職サポート経験を持つミライフのキャリアデザイナーに相談してみることで、新たな気づきを得られるのではないかと感じました。
山田さんとの面談の中で小森がお話ししていた「事業フェーズ」の切り口について、「マーケティング職の転職の考え方」にも記載がありますので、ぜひ読んでみてくださいね。
"新たな視点"を見つけたい!という方のミライフへのご相談もお待ちしております!
担当キャリアデザイナー小森の自己紹介noteもぜひご覧ください。