やりがいかお金か、仕事でどっちを優先?後悔しない選び方と両立する方法
仕事を選ぶ上で、「やりがい」と「お金」のどちらを優先すべきか。これは、多くの人がキャリアの岐路に立つたびに直面する、悩ましいテーマではないでしょうか。
日々の生活を支え、未来の安心を築くためには、確かな収入が必要不可欠です。しかし、私たちが人生の大きな時間を費やす「仕事」において、心から納得できる目的や充実感がなければ、ただ時間だけが過ぎていくように感じられ、長く働き続けることは苦しくなってしまうかもしれません。
仕事は単に生活の糧を得るための手段にとどまらず、あなた自身の人生、つまり「ライフ」を豊かにするための大切な要素です。だからこそ、どちらを取るべきか迷い、立ち止まってしまうのは、あなたがご自身の人生に真剣に向き合っている証拠でもあります。
この「やりがいとお金の優先順位」について、本記事では個人の感情面だけでなく、雇用する企業側がどのような視点で報酬とポジションを用意しているのかという客観的な事実も交えながら、多角的な視点でひもといていきます。
あなたらしい理想の未来を描きながら、自律的に生きていくためのヒントとして、後悔しない選択をするための判断基準や、やりがいとお金の両方を実現していくための具体的なアプローチをお伝えします。これからのキャリアをどのようにデザインしていくか、その道しるべとしてぜひお役立てください。
|あなたはどっち派?仕事選びで「やりがい」と「お金」を重視する人の割合
仕事選びにおいて、やりがいとお金のどちらを重視するかは、決してひとつの正解があるわけではありません。一人ひとりの価値観や、その時々のライフステージ、さらには社会全体の動向によっても大きく変化していくものです。
ある民間の調査データ(株式会社ライボ「Job総研」2023年 働く価値観の実態調査: https://kyodonewsprwire.jp/release/202306066171 )によれば、2023年の時点において、仕事選びで「収入を重視する」と回答した人が全体の約59%、「やりがいを重視する」と回答した人が約41%という結果が出ています。
同調査の2017年の結果を見てみると、当時は「やりがい派」が55%と多数を占めていました。しかし、その後の急激な社会情勢の変化や、将来への経済的な不安感を背景に、近年は生活の基盤となる収入をより重視する傾向が強まっていることがわかります。
一方で、内閣府が行った調査「国民生活に関する世論調査」などに目を向けると、「収入が安定している仕事」と「自分にとって楽しい仕事」の双方を理想の働き方として挙げる声も非常に多く見受けられます。つまり、心の奥底では「どちらか一方だけを我慢して選ぶ」のではなく、「できることなら両方をバランスよく満たしたい」と願うのが、多くの人の偽らざる本音と言えるでしょう。
企業側もまた、こうした働く人たちの価値観の変化に敏感になっています。単に高い給与を提示するだけではなく、社員が自律的にキャリアを築き、仕事を通じて自己実現できる環境(やりがい)を提供することが、優秀な人材に長く活躍してもらうために不可欠だと考える企業が増えています。個人と企業が、お互いに何を求め、何を提供できるのかをすり合わせていくことが、現代の仕事選びのベースになっています。
|仕事で「やりがい」を最優先にした場合のメリット
仕事選びで「やりがい」を優先すると、日々の満足度やモチベーションが大きく向上し、キャリア形成における強みへと育ちます。具体的なメリットを3つの側面から紹介します。
1. 日々の業務に高い満足感と充実感を得られる
仕事を通じた社会貢献や他者への貢献実感は、働く大きな喜びになります。自分の興味や得意分野を仕事にすれば、大変なことがあっても「意義を感じる」「自分で選んだ道だ」という思いが根底にあるため、精神的なゆとりや深い充実感につながります。前向きな姿勢は周囲にも好影響を与え、企業からの評価にも直結します。
※好きなことを仕事にする詳細については、過去のコラム「好きなことを仕事にするメリット・デメリットと後悔しないための方法」もご参照ください。
2. 困難な仕事でも主体的に取り組む意欲が湧く
「自分の意思でやりたい」という内発的動機が強いため、困難な課題に直面しても「やらされ感」に陥りません。目標達成への主体的な意欲があるからこそ粘り強く解決策を探求でき、この自律的な姿勢が個人の成長や中長期的なキャリアの発展を促します。
3. 好きな分野だからこそ専門的なスキルが身につきやすい
興味のある分野では、新しい知識の吸収やスキルアップの意欲が自然と湧きます。業務外の自己研鑽も「苦しい努力」ではなく「知的好奇心を満たす時間」になるため、市場価値の高い専門スキルが効率よく身につきます。結果的に、将来の収入アップや好条件での転職を引き寄せる武器となります。
|仕事で「やりがい」を優先する際に注意すべきこと
やりがいを重視する働き方には、人生を豊かにする多くのメリットがある一方で、現実的な視点から見つめ直すべき注意点もいくつか存在します。
特に「誰かの役に立ちたい」「夢を追いかけたい」という純粋な気持ちが強いほど、足元の収入や労働条件といった現実的な側面をつい見過ごしてしまいがちです。理想の未来を描くことは素晴らしいことですが、お金という生活の基盤を軽視してしまうことで生じうるリスクも正しく理解し、バランスの取れた自律的な判断をしていくことが、長く幸せに働き続けるための鍵となります。
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低賃金を正当化される「やりがい搾取」に陥る危険性
「お客様の笑顔のために」「社会を変える意義のある仕事だから」といった、仕事の「やりがい」や「使命感」を巧みに強調し、その代償として低賃金や過酷な長時間労働といった不当な労働条件を働き手に強いる、いわゆる「やりがい搾取」の問題には十分に注意する必要があります。
この問題は、クリエイティブな職種や、福祉・介護、教育業界など、働く人の情熱や善意がベースになりやすい業界で起こりやすい傾向があります。もちろん、企業側に悪意があるわけではなく、業界全体の構造的な課題として余裕がないケースも少なくありません。
とはいえ、あなた自身の人生を守れるのはあなただけです。個人として自分らしい生き方を守るためには、どれほどやりがいを感じる仕事であっても、自分が提供している労働力や生み出している価値に対して、正当な対価(給与や休日など)が支払われているか、客観的かつ冷静に判断する視点を持つことが不可欠です。
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経済的な不安からプライベートを犠牲にする可能性
やりがいを最優先にするあまり、生活に必要な基準を満たさない低い収入の仕事を選んでしまうと、日々の生活において経済的な余裕がなくなり、結果的に大切なプライベートの時間を犠牲にせざるを得ない状況に追い込まれる可能性があります。
例えば、家賃や生活費を補うために休みの日に別のアルバイトを掛け持ちしなければならなくなったり、リフレッシュのための趣味や友人との交際費、未来のための自己投資の費用を切り詰めたりする必要が出てくるかもしれません。仕事は人生の一部であり、仕事の充実はもちろん大切ですが、仕事以外の時間も含めた「ライフ全体」のバランスが崩れてしまっては、本当の意味での幸せからは遠ざかってしまいます。
|仕事で「お金」を最優先にした場合のメリット
収入を最優先の基準とすることは決して後ろめたいことではありません。十分な収入は生活基盤を安定させ、より計画的で自由度の高い自分らしい人生設計を可能にします。
1. 経済的な安定が精神的な余裕につながる
毎月十分な収入が得られることは、生活の経済的不安を取り除き、日常のストレスを劇的に軽減します。「お金の心配がない」という心のゆとりは、職場の人間関係を円滑にし、トラブル時の冷静な判断を可能にします。結果として目の前の業務に高い集中力で取り組めるようになり、企業からの高評価につながる好循環も生まれます。
2. 趣味や自己投資など人生の選択肢が広がる
経済的な豊かさは、人生の選択肢を圧倒的に広げます。金銭的な理由で諦めていた趣味や旅行に挑戦してプライベートを充実させられるだけでなく、高額な専門スクールや大学院での学び直しといったスケールの大きな自己投資も可能になります。仕事で得た確かな収入を、自分らしい人生を彩る強力なツールとして活用できるのが最大の魅力です。
|仕事で「お金」を優先する際に注意すべきこと
高い収入は、生活の絶対的な安定や選択肢の広がりといった素晴らしいメリットをもたらしてくれますが、ただ「お金を稼ぐこと」だけを唯一の目的として仕事を選んでしまうと、そこには見過ごせないリスクも潜んでいます。
日々の業務内容に対してまったく関心が持てない場合、何のために働いているのかという目的を見失いやすくなります。また、企業が高い報酬を支払うということは、それだけ個人に対して重い責任や高い成果を求めているということでもあります。
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業務内容に興味が持てずモチベーションが低下するリスク
給与水準が魅力的だという理由だけで仕事を選んでしまうと、入社後に実際の業務に取り組んでみた際、その仕事内容自体にどうしても興味や関心を持てないという壁にぶつかることがあります。
仕事に対する興味が薄いと、一日の大半を占める業務時間が単なる「お金を稼ぐための作業」に感じられてしまい、日々のモチベーションを維持することが非常に難しくなります。「お金のため」と割り切れるうちは良いですが、意欲が湧かない状態が長く続くと、仕事を通じた新たな学びや成長の機会が失われてしまいます。
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成果を求められるプレッシャーから心身が疲弊する可能性
ビジネスの現実として、企業が一般的な水準よりも高い給与を提示する場合、そこには明確な理由があります。それは、支払う報酬に見合っただけの、あるいはそれ以上の事業への貢献や、高い成果を働き手に期待しているということです。
厳しい営業ノルマの達成、高度な専門知識を要する複雑な判断など、常に高いレベルのパフォーマンスを要求され続ける環境は、時に大きな精神的プレッシャーとなります。提示されている報酬の高さだけに目を奪われるのではなく、自分がその環境で健やかに価値を発揮し続けられるのかを入社前に冷静にシミュレーションしておくことが大切です。
|後悔しない仕事選び!自分だけの判断基準を見つける3ステップ
「やりがい」と「お金」、どちらを優先すべきかという問いに対して、万人に共通するたったひとつの正解は存在しません。最も重要なのは、あなた自身が持つ価値観に基づいた「自分だけの判断基準」をしっかりと持つことです。以下の3つのステップを通じて、心の軸を見つけ出していきましょう。
1.将来の理想像から「なぜ働くのか」という価値観を明確にする
「家族と笑顔で過ごす時間を優先したい」「専門性を極めて社会にインパクトを与えたい」など、将来の理想像を具体的に思い描きます。その実現のために仕事がどんな役割を果たすべきか、「なぜ働くのか」を言語化することで、判断のブレない軸が定まります。
※自分らしい生き方の見つけ方については、過去の記事「自分らしい生き方とは?見つけ方のコツと、人生を好転させる方法」もご覧ください。
2.生活に最低限必要な収入ラインを具体的に算出する
家賃、食費、光熱費、各種税金や保険料などを洗い出し、心身ともに健康で安定した生活を継続するために「最低限これだけは必要」という月収・年収のボーダーラインを計算します。この「絶対に譲れないライン」を把握しておくことで、生活が立ち行かなくなるリスクを防げます。
3.短期的な感情ではなく長期的なキャリアプランで判断する
「楽しそう」「給与が高い」といった目先の条件だけで決断せず、5年後・10年後の自分を見据えた長期的な視点を持つことが重要です。未来から現在へと時間を逆算して考えることで、より戦略的で心の底から納得できる決断ができるようになります。
|「やりがい」も「お金」も諦めない!両方を実現するための具体的な方法
必ずしも二者択一でどちらかを切り捨てなければならないわけではありません。「やりがい」と「お金」の両方を満たす働き方を実現するための具体的なアクションをご紹介します。
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現職で成果を出して給与交渉や昇進を目指す
今の仕事にやりがいを感じているなら、目の前の業務で目に見える成果を出し、社内での評価を高めることに注力してみましょう。実績を根拠に給与交渉を行ったり昇進を目指したりすることで、やりがいを維持したまま収入アップを実現できる可能性があります。
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市場価値を高めるスキルを習得し、より好条件の企業へ転職する
現職での収入アップが見込めない場合は「転職」も有効です。ただし、まずは成長産業で需要の高い専門スキルや難易度の高い資格を習得し、ビジネスパーソンとしての市場価値を高めましょう。自分を磨くことで、やりがいと好条件を両立できる企業へ転職できる確率が格段に高まります。
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本業で安定収入を確保しつつ、副業やボランティアでやりがいを見つける
ひとつの仕事ですべてを満たそうとせず、本業では安定した収入と福利厚生を確保し、業務終了後や週末の副業やボランティアでやりがいを追求するという方法もおすすめです。収入と自己実現の場を切り分けることで、心にゆとりを持った自分らしい生き方がデザインできます。
※ライフワークの考え方については、過去の記事「ライフワークとは?意味とライスワークとの違い、適切な見つけ方」で詳しく解説しています。
|「やりがいかお金か」に関するよくある質問
Q. どうしても迷ったら、どちらを優先して仕事を探すべきですか?
どうしても答えが出ず身動きが取れない場合は、まずは最低限の生活の土台を支える「お金(収入)」を優先して条件を絞ることをおすすめします。経済的な不安があると心に余裕がなくなり、本当にやりたいことを見失いやすくなるためです。安心できる収入条件を満たした求人の中から、最もやりがいを感じられそうな仕事を探すのが安全なアプローチです。
Q. 「お金のため」と割り切って働くのは、長期的に見て問題ないでしょうか?
ご自身の価値観として納得できているのであれば問題ありません。ただし、長期的なモチベーション維持が課題となるため、「稼いだお金を何に使うのか(趣味への投資、家族との時間、独立資金など)」という働く目的を強固にしておくことが大切です。仕事の中だけで心を満たそうとせず、プライベートの時間を充実させることで、ご自身の人生を心地よく保っていくのもひとつの素敵な働き方です。
Q. 今の仕事にやりがいを感じられない場合、すぐに辞めるべきですか?
感情のままにすぐ退職するのは早計です。まずは、なぜやりがいを感じられなくなったのか(業務内容、人間関係、評価制度など)、その「本当の原因」を自己分析してみてください。部署異動や上司への相談で解決できる可能性もあります。現職での改善が本当に難しいと判断した場合に、初めて転職を検討するのが賢明です。
※迷いがある場合は、こちらの記事「今の仕事、このまま続けていける?不安の原因とやるべきこと」も参考にしてみてください。
まとめ
仕事選びにおける「やりがい」と「お金」は、決してどちらか一方を完全に切り捨ててしまえるほど単純なものではありません。重要なのは、あなた自身の人生という大きな枠組みの中で、両者のバランスをいかに自律的に取っていくかということです。
本記事でご紹介した判断基準を見つけるステップや、両立を目指すための具体的な方法をヒントにしていただき、ぜひ一度、ご自身の奥底にある価値観とじっくり向き合ってみてください。目先の条件にとらわれない長期的な視点を持つことが、後悔のない豊かなキャリアを築く土台となります。
あなたにとって最も心地よく、自分らしさを発揮できる仕事の形を見つけることが、結果として充実した職業人生、そして幸せなライフにつながっていくはずです。
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- 自分が「働く意味」を言葉にしてみる
まずは制約を取り払い、「どんな人生を送りたいか」「仕事を通じて何を得たいか」を書き出してみてください。 - 生活に必要な「リアルなお金」のラインを計算する
家賃や生活費を洗い出し、安心して暮らすために最低限必要な月収・年収を算出します。 - 現在の仕事や環境でできることがないか探ってみる
すぐに転職サイトに登録するのではなく、「いまの会社で、やりがいや収入を上げるためにできることはないか」を一度立ち止まって考えてみます。
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「働く、生きるを、HAPPYに」 をミッションに掲げる、少数精鋭のキャリアデザイン集団。転職ありきではない本質的なキャリア相談と、最新のAI技術を融合させた革新的な支援スタイルが特徴。思考の霧を晴らし、自律的に理想を描き出すユーザーの生涯のパートナーとして、多くのビジネスパーソンをサポートしています。
監修者プロフィール
菅野隼人
株式会社ミライフマーケティング担当/ExecutiveCareerDesigner

京都大学教育学部にて臨床心理学・認知心理学を学んだのち、新卒で株式会社ポケモンに入社。その後、7社10職種を経験。
- デジタルマーケター向けSaaSのカスタマーサクセス
- VR・MR領域のイベント企画・事業開発
- 法人営業向けSaaSのマーケティングマネージャー・ビジネス部門責任者など、複数の業界・業種で確かな実績を残す。
ミライフでは、人事を含む多彩な職種経験、数名規模のスタートアップから数百名規模の企業までの幅広い就業経験、そして業界・業種をまたぐ自身の転職経験をフルに活かした「異色キャリアデザイナー」として活躍中。多様な視点から、個人の本音や理想を引き出す伴走支援を得意としています。
