そろそろAIを活用しなきゃ、と思い始めたときの第一歩
ここ数年で、AIの活用が身近なものになったと感じている方も多いのではないでしょうか。
業務効率が上がった、資料作成が楽になった。そんな話を聞くたびに、「自分もそろそろ使ったほうがいいのかもしれない」と思うことがあるかもしれません。
とはいえ、今すぐ本格的に学ぶ余裕があるわけでもないし、何から手をつければいいのかも分からない。仕事は回っているけれど、AIをまったく触っていないことに、うっすらとした引っかかりを感じている。そんな状態の人も少なくないはずです。
AIに人の仕事を奪われる…という話もよく耳にしますが、「目の前の業務にどう活かせるのか」「今の仕事のやり方の中で、どこに使いどころがありそうか」といった視点で整理してみるだけで、AIとの距離感はずいぶん変わります。
この記事では、「そろそろAIを活用しなきゃ」と思い始めたときに、仕事の延長線上で試しやすい考え方やヒントを整理していきます。
専門家の視点:Career Designer 渡部のコメント
AIの話題が出ると、「何をどう使うべきか」「どんなスキルが必要か」と考えてしまいがちです。でも、そろそろAIを活用しなきゃと思い始めた段階で、いきなり答えを出す必要はありません。
ここからは、ミライフでAI活用を推進するキャリアデザイナー・渡部の視点を紹介します。
「AIを学ぶことを目的にするのではなく、まずは自分の日常や趣味の中で『遊んでみる』こと。仕事という高いハードルを一度取っ払って、自分の生活がちょっと楽しくなる使い方を見つけることから始めてみてください。そのワクワクする体験が、結果的に仕事での活用イメージを引き寄せてくれます」

渡部 桂輔
Career Designer
台湾の開南大学にて4年間海外生活を経験。大学生時代に国際事務所で留学生のサポート業務を行っていた経験から人材業界に興味を持ち、「日本が好きで日本に就職をしたい」という台湾人の就職支援を行いたいと思い、リーラコーエン台湾に新卒入社。
CAとして外国人求職者の面談をこなす一方で、会社のYouTubeチャンネル企画リーダーとして戦略を練り、自ら動画にも出演をし、半年間でチャンネルの収益化達成。CAとしては1年目からリーラコーエングループ全体の年間ベストCAにノミネート。
2023年1月から日本に戻りCAリーダーとしてメンバーの育成、RAにもチャレンジをしている中で、求職者起点の就職支援がしたいと思い始める。そんな中、ただの転職支援ではなくキャリアコーチングから行い、「100%個人起点」でカスタマーを未来志向型で支援するミライフのスタイルに共感し参画。ミライフ社内でのAI活用推進を牽引中。
みんな一斉に勉強中、という前提でいい
AIに関する話題で多いのが、「周りはもう使いこなしているのではないか」「自分だけ出遅れている気がする」という声です。
ただ、実際のところ、今このタイミングでAIに触れている人の多くは、同じ地点で試行錯誤しています。完璧に分かっている人は、ほとんどいません。だからこそ、最初から学び切ろうとする必要はないのです。
「大切なのは、仕事の中で使えそうな場面を探し、少し触ってみること。AI時代の専門性とは、テクノロジーに詳しい人になることではなく、それを使って自分の仕事をどう前に進めるかを考えられることにあります」
ツールを理解することよりも、それを使って何をしたいか。この視点が定まると、学ぶ方向性は自然と絞られていきます。最初は、業務の中で「ちょっと試してみる」くらいの感覚で十分です。
Step1:まずは「日常」や「趣味」で遊び倒す
AI活用を「仕事」と捉えるとハードルが上がりますが、まずは自分の生活を便利にすることから始めてみましょう。
- 「冷蔵庫の中にある食品」を写真に撮って、3食分のレシピを考えてもらう
- 「予算5万円、1泊2日の旅行」の分刻みのスケジュールを立ててもらう
- 趣味のキャンプで「初心者におすすめのキャンプ場リスト」を作ってもらう
こうした「日常のワクワク」から入ることで、AIへの抵抗感は自然と消えていきます。
Step2:自分の仕事に引き寄せて使ってみる
日常で触れることに慣れてきたら、仕事の「少し面倒だと感じている作業」をAIに依頼してみましょう。
- 会議のメモや長文資料を要約してもらい、要点をパッと把握する
- 営業や企画の「たたき台」を10個出してもらい、選ぶ側に回る
- メールの返信案をいくつか作ってもらう。最終的には自分らしく調整する
「全部任せる」のではなく「一部だけ手伝ってもらう」ことで、自分にしかできない判断に集中できるようになります。
仕事の中で使い続けられるかどうか
渡部自身も、AIを欠かせない「仕事の相棒」として、日々こんな風に活用していると言います。
「私自身も、実際にAIを仕事の相棒にしています。例えば、『Google Workspace(Gemini)』。届いたメールの返信案を作ってもらったり、スプレッドシートの表を整えてもらったり。これだけで、細かい作業に奪われる時間が激減しました。
また、『NotebookLM』も手放せません。営業先の資料や社内データを取り込み、この資料を元にスライド構成を作って!と指示するだけで、分析から骨子作成まで一瞬で終わります。
AIを使って、同じ時間でこれまでの3倍の仕事ができるようになる。この『時間の拡張』を自分の中で起こせることが、これからの時代の強みの一つになると実感しています」
キャリアデザイナー渡部に聞くQ&A
Q1. AIを使い始めた方がいいとは思うのですが、今の仕事にどう結びつければいいのか分かりません
A. 多くの方が、AIをスキルとして身につけようとしてしまいます。でもキャリアの視点で大事なのは、「AIが何をできるツールかを幅広く理解すること」ではなく、「自分の役割のどこを拡張できるか」です。
企画職なら、考える人なのか整理する人なのか。営業なら、提案を作る人なのか関係性を築く人なのか。
まず自分の役割を言語化し、その中で時間を取られている部分や、質を上げたい部分にAIを当てはめていく。この順番で考えると、仕事との接続が一気に現実的になります。
Q2. AIを使えるようになれば、キャリア上の強みになるのでしょうか
A. 単に「使える」だけでは強みになりません。本当の強みは、AIを使って短時間でアウトプットを出す「時間の拡張」をしたうえで、その余った時間を「人間にしかできない付加価値」に充てられることにあります。
エンジニアがAIに大量のコードを書かせて生産性を引き上げるように、非エンジニアもAIを相棒にして、これまでの3倍の仕事をこなす。その分、浮いた時間を使って「もっと深く企画を練る」「相手の感情に寄り添う」「複雑な意思決定にじっくり向き合う」。
ツールの習熟度ではなく、「AIで生み出した時間を、いかに人間にしかできないクリエイティブな活動に投資できるか」。ここがこれからの市場価値の分かれ目になります。
Q3. AIに頼りすぎると、自分のスキルが育たないのではと不安です
A. この不安を持てているのは、とても健全です。問題になるのは、考える工程をすべてAIに丸投げしてしまい、最終的な責任を取らないことです。
一方で、思考を整理する、視点を増やすといった使い方であれば、むしろ自分のスキルは磨かれます。キャリアの観点では、「何をAIに任せ、どこを自分が担っているのか」を説明できる状態が重要です。
Q4. AIをきっかけに専門性を作るとしたら、何から意識すべきでしょうか
A. 「今の自分の専門性 × AI」で深掘りすることです。AIに情報整理やパターン化を任せ、浮いた時間で自分は「正解のない問いに自分なりの意志を込める」「相手の言葉の裏にある機微を汲み取る」といった、より高度で人間らしい領域に集中する。その経験が、これまでにない深い専門性を作ります。
今後はそうして生産性を上げ、副業やボランティアなど、複数のキャリアを持つという生き方も当たり前になるでしょう。
一方で、AIには真似できない現場での身体性や、相手の人生に深く伴走する対人支援の価値は、これまで以上に高まっています。AIは効率的な答えを出すことは得意ですが、最後に責任を持って決断を下し、相手と痛みや喜びを分かち合うことは、人間にしかできないからです。
まとめと次の一歩
AIの話題が増える中で、不安や引っかかりを感じるのは自然なことです。でも、恐れるよりもまず、仕事の中で少し使ってみること。それだけでも十分な一歩になります。
AIも含めて、仕事の進め方や働き方は、日々の業務の中で少しずつ形になっていくものです。まずは、AIに任せられそうな作業を一つ見つけてみる。そして、自分の仕事のどこにフィットしそうかを振り返ってみてください。
触れていくうちに、自分なりの使いどころが見えてくるはずです。まずは恐れずに、身近なところから試してみてくださいね。
「AI時代だからこそ、自分の専門性やキャリアをどう築くか?」という不安に対し、ミライフは転職前提ではないフラットな相談ができる場所でありたいと考えています。
「自分、このままでいいのかな?」「どんな選択肢があるんだろう?」といった漠然としたモヤモヤから、ぜひお気軽にご相談ください!
