変化するライフスタイルにフィットする職場を選ぶ3つの視点
結婚、出産、子育て、親の介護。人生のステージが変わると、それまで当たり前だった働き方が、少しずつ合わなくなっていくことがあります。
独身の頃は夜遅くまで働いても平気だったけれど、今は家族との時間を大切にしたい。以前はやりがい優先で走れていたけれど、今は生活リズムや心の余裕も同じくらい大事になってきた。
これは甘えでもわがままでもありません。ライフステージに合わせて、大事にしたい価値観が変わっただけです。
そんなときは、自分がどんな人生を送りたいかを軸に、働き方を設計し直していくチャンス。今回は、ミライフのキャリアデザイナー・越智に、暮らしと働き方をフィットさせるための3つの視点を聞きました。
専門家の視点:Career Designer 越智のアドバイス
家族を持つ方々のキャリア相談を多く担当してきた越智。まず伝えたいのは、とてもシンプルで大切なことです。
ライフステージの変化に伴い、ライフスタイルが変われば、働き方が合わなくなるのは当然。無理に合わせる必要はなく、現実的な形に調整するという選択があっていい。
実際、越智自身も出産を機に環境を見直し、子育てと自分のキャリアのどちらも大切にできる場所としてミライフを選びました。

越智 紗希子
Career Designer
新卒で日系大手証券株式会社へ入社。法人、個人の顧客に向けて有価証券や保険など金融商品の販売に従事したのち人材業界へ転身。株式会社リクルートでは中途斡旋Div高年収帯のITカスタマー領域のCAとして転職支援に従事。
その後、エージェント業務をより深めたい想いから、成長産業支援を行う企業へ転職。人事採用担当として中途採用業務に従事。
2023年に第一子を出産。子育てとの両立を叶えること、両面エージェントとして手触り感のある転職・採用支援を行いたかったことからミライフへ参画。現在は地元である大阪からフルリモートにて勤務中。
「今の働き方が合わなくなったと感じる時は、自分が何を大切にしたいかが見えてくるタイミングでもあるんですよ」
子どもの時間を優先したい。専門性を磨ける環境で挑戦したい。通勤負担を減らしたい。体と心の余裕を保ちながら働きたい。
どれも正解です。そして改めて見えてきたことが、今のあなたの価値観。それを無視したまま働き続けると、どこかで無理が出てきます。だからこそ、ありたい姿 → 働き方 → 職場という順番で考えることが、ミスマッチを減らす鍵になります。
働き方を見直すための3つの視点
ここからは、自分らしい働き方を選ぶための3つの軸をご紹介します。
1. 「時間」ではなく「エネルギー」で働き方を考える
転職活動では、多くの人が残業時間や勤務時間といった「時間の長さ」に注目します。ですが、プロの視点で大切なのは時間の量ではなく、時間の質です。
どのような形であれば大切な時間の「質」を上げられるのか、どんな環境なら心の余裕を保ちながら働けるか。
たとえば勤務時間が少し長くても、
・人間関係が健やか
・通勤負担が少ない
・集中できる環境がある
といった条件が揃えば、消耗はぐんと減ります。
逆に時短でも、
・常に時間に追われる
・家庭との両立が難しい
という状況であれば、負担は大きくなります。
「働ける時間そのものより、健やかに働ける状態を保てるかで考える。これが、働き方を見直す最初の一歩です」
2. 「理想の一日・一週間」を描き、暮らしを起点に働き方を組み立てる
時間があるときに試してみてほしいのが、理想の一日を書き出すというワーク。
朝何時に起きて、誰とどんな時間を過ごし、どんな気持ちで一日を終えたいか。具体的に書くことで、自分の自然なリズムが見えてきます。
「ポイントは、仕事を起点に考えるのではなく、暮らしを起点に働き方を考えることです」
・朝は家族とゆっくり食事したい?
・午前中は集中して仕事がしたい?
・夕方は子どもの宿題を見たい?
・夜はパートナーとの時間を確保したい?
・週末は趣味や休息を大切にしたい?
この理想の流れが見えると、自分のありたい姿や必要な働き方の条件が自然と浮かび上がります。実際に、ミスマッチの少ない転職に成功した方の多くが取り入れていた方法です。
3. 「合わなくなった自分」を責めず、価値観に合わせて働き方を設計し直す
育児や介護など、大きなライフステージの変化があると、以前は自然にできていた働き方も急に無理を感じることがあります。
そのとき、多くの人は「自分が弱くなったのでは?」前はできたのに…と自分を責めてしまいます。
しかし、それは怠けではなく、価値観がアップデートされたサイン。今の自分にとって無理なく自然でいられる状態は何か、見つめてみることが大事です。
「キャリアは一直線ではありません。その時々の自分の状態に合わせて、働き方を設計し直すことは自然で健全な選択です。無理を積み重ねるよりも、価値観に合わせて働き方もアップデートすることが、サステナブルに働き続けることにつながるのです」
あなたの働き方を現実レベルで整えていくために
3つの視点を通して、自分の価値観や暮らしのリズムが見えてきたら、次に必要なのは、そのイメージを「実際の働き方」に落とし込んでいくステップです。
ここでは、転職相談の現場でも多くの方がつまずきやすい、働き方の具体化に役立つ考え方をまとめます。
1. 自分の価値観と、職場のカルチャーや制度がフィットするかどうか
仕事内容がどれだけ魅力的でも、会社の文化やコミュニケーションの取り方が合わなければ、働きやすさは大きく損なわれます。自分の価値観と相性が良い環境かどうか。これは働き方のフィット感の基盤になります。
2. 自分の強みが活かせる役割であるか
強みが活かせる役割で働くことは、エネルギーの消耗を防ぎ、成果につながります。逆に、苦手を埋め続ける働き方は、どれだけ条件が良くても長続きしません。
3. 今後のライフイベントとの整合性
子育て、介護、健康状態、住環境の変化など、これから起こりうる変化も踏まえて働き方を考えることで、将来のミスマッチを防げます。数年先の自分の暮らしや、理想の未来まで視野に入れて検討することが大切です。
4. いきなり決めず、小さく試せる余白をつくる
副業や短期プロジェクト、業務委託、フレックスやリモートなどの制度活用など、働き方を段階的に試しながら調整する方法も増えています。
いきなり転職すると決めて考えるのではなく、まずは可能な範囲の中で自分にフィットするスタイルを探ってみるのも、満足度の高い働き方につながるかもしれません。
価値観を軸に働き方を設計し直すことが、これからのキャリアの基本になる
「なにがなんでも会社に合わせて働く」という考え方は一昔前のもの。働き方の選択肢が広がり、価値観が多様化している今こそ、「自分が大切にしたいことを軸に、働き方を設計し直す」という視点が欠かせません。
「とはいえ、働く場所は『成果を出す場』です。企業側も、多様な働き方を取り入れながら、人が無理なく力を発揮できる環境づくりを進めています。
だからこそ、あなた自身が心地よく働けて、無理なく成果を出しやすい場所を選ぶことが大切です。自分の価値観を大切にしながら、自然体で力を発揮できる環境を見つける。そんな働き方が、これからの時代のスタンダードになっていきます」
まずは小さな一歩からで十分です。
今日からできる3つのアクション
- 理想の一日のスケジュールを書き出す
- 今の働き方と理想のギャップを整理する
- そのギャップを埋める小さな行動を一つ決める
これだけでも、働き方の見え方は大きく変わります。
働き方の再設計は、一人で抱え込まなくて大丈夫です
「ライフスタイルの変化は、キャリアを見つめ直すきっかけです。自分にフィットする働き方を選ぶことは、家族を大切にすることにもつながります。その再設計のプロセスを、よろしければぜひお手伝いさせてください」
もし今、
・今の働き方に違和感がある
・ライフステージの変化を見据え、どんなキャリアの可能性があるのか探りたい
・理想の生き方を言語化し、それをもとにキャリアを考えたい
そんな気持ちが少しでもあるなら、ミライフのキャリアデザイナーに一度相談してみませんか。あなたの価値観、暮らし、キャリアを整理するその時間が、あなたの理想の未来に少しずつ近づくための第一歩になるかもしれません。
