転職で手取りを増やすには?仕組みや年収アップを成功させるための注意点
毎月の給与明細を見て、「もう少し手取りが増えれば、生活にゆとりができるのに」「将来のために貯蓄や投資に回せるお金を増やしたい」と感じることはありませんか。物価の上昇や社会保険料の負担が増えるなか、将来への不安から手取りを増やすための転職を考える方は少なくありません。
しかし、ただやみくもに年収が高い求人へ飛びついても、結果的に手取り額が減ってしまったり、自分に合わない環境で苦労してしまったりすることがあります。仕事は人生の大きな部分を占めますが、仕事だけがすべてではありません。ご自身が「これからどうありたいのか」「どんな生活を大切にしたいのか」を整理し、その未来から逆算してキャリアを考えることが、後悔のない選択につながります。
この記事では、転職で手取りを増やすためのお金の知識や、自分の市場価値を正しく把握する方法に加え、副業や柔軟な働き方を活かした収入アップの考え方まで詳しく解説します。今の会社に残ることや副業という選択肢も見据えながら、ご自身が心から納得できるキャリアのあり方を考えていきましょう。
|転職による「年収アップ=手取り増」とは限らない理由
額面年収と手取り年収の違い
額面年収とは、基本給や賞与、そして各種手当を含めた、企業から支給される総額のことです。一方、手取り年収は、そこから所得税や住民税、そして健康保険や厚生年金などの社会保険料が差し引かれ、実際に自分の銀行口座に振り込まれる金額を指します。
一般的に、手取り年収は額面年収の75%〜85%程度が目安と言われています。年収が高くなるにつれて累進課税によって税率が上がるため、額面が増えた分だけ比例して手取りが増えるわけではありません。求人票に記載されている給与は、多くの場合この「額面」です。企業側から見れば、従業員一人を雇用するために社会保険料の折半負担など額面以上の費用を負担している背景もありますが、働く個人としては、この差額と税金の仕組みを正確に理解しておくことが収入を正しく把握する第一歩となります。
住民税の仕組みと転職1年目の注意点
転職によって額面の年収が上がったとしても、転職1年目は手取りが減ってしまうケースがあるため注意が必要です。その大きな原因は住民税の仕組みにあります。
住民税は、前年の1月から12月までの所得に対して課税され、翌年の6月から納付が始まる「後払い」の仕組みになっています。もし前職で比較的高収入を得ていた場合、その所得をもとに計算された高額な住民税が、新しい会社の給与から天引きされることになります。たとえ転職先で額面年収が上がっていたとしても、想定していたより月々の手取り額が伸び悩んだり、一時的に減って見えたりすることがあるのです。転職前に、ご自身の住民税がどの程度になるかシミュレーションしておくことをおすすめします。
住宅手当や福利厚生が手取りに与える影響
給与の額面だけでなく、企業独自の福利厚生も実質的な手取り収入(可処分所得)に大きく関わってきます。住宅手当や家族手当、資格手当、退職金制度などがその代表例です。
たとえば、転職によって基本給や額面年収が50万円アップしたとしても、前職で支給されていた月額3万円の住宅手当が新しい会社ではなくなってしまったとします。すると、年間で36万円分の手当が失われるため、実質的な収入増はわずか14万円にとどまってしまいます。税金や社会保険料の増加分を考慮すると、実質的な手取りはほとんど変わらないという結果にもなりかねません。企業側も、採用する人材に長く安心して働いてもらうために独自の福利厚生を整えています。求人を見る際は、額面だけでなく手当や制度の詳細まで確認し、今の会社に残った場合のメリットとも比較しながら総合的に判断することが大切です。
|納得のいく選択をするための転職活動3つのステップ
手取りを増やすには、単に給与の高い会社に応募するだけでは不十分です。ご自身が大切にしたい価値観を知り、自律的に未来を描きながら計画的に進めることが、納得のいくキャリアを築く第一歩となります。ここでは、自分自身が納得して選択するための3つのステップを解説します。
ステップ1:自分の現在地を知り、市場価値を客観的に把握する
まずは、ご自身のスキルや経験が社会でどのように評価されるのか、現在地を正確に知ることから始めましょう。自分の市場価値を客観的に把握することは、転職先を選ぶ基準となるだけでなく、今の環境における自分の待遇が適正かどうかを見つめ直すきっかけにもなります。
具体的には、転職サイトの年収診断ツールを使ったり、希望する業界の求人をリサーチして給与水準や求められるスキルセットを調べたりする方法があります。また、プロの転職エージェントに相談して客観的な評価をもらうのも有効です。ただし、年収の高さや市場価値だけが、あなたにとっての「良いキャリア」を決めるわけではありません。自分に何ができるのか、どんな強みがあるのかを整理し、今後の選択肢を広げるための判断材料として活用してください。
ステップ2:理想の未来から逆算し、進むべき道を見極める
市場価値を把握したら、次は自分が「どうありたいのか」「どんな働き方や生活を送りたいのか」という理想の未来を描いてみましょう。手取りを増やすために、業界全体の給与水準が高いIT業界やコンサルティング業界、あるいはインセンティブ比率の高い営業職などを目指すのは一つの戦略です。
しかし、給与水準が高い業界や職種は、その分企業から求められる役割や成果のハードル、業務の負荷も高くなる傾向があります。自分の価値観やライフスタイルとズレがあると、長続きせず体調やメンタルを崩してしまうリスクもあります。収入アップだけを目的とするのではなく、自分の強みを活かせるか、組織の風土や働き方が自分と合っているかといった視点も大切です。そして、描いた理想の未来を実現するためには、必ずしも転職だけが正解ではありません。今の会社で評価を高め、異動や昇進を目指すことが最善の道だと気づくことも、立派なキャリアデザインです。
ステップ3:企業と個人の双方が納得できる年収交渉を行う
もし転職を決意し、内定を得ることができた場合は、入社前の条件提示の段階で年収交渉を行うことになります。ここでの交渉結果が、実際の手取り額や入社後の満足度を左右します。
年収交渉は、単に自分の希望額を押し付ける場ではありません。ステップ1で把握した客観的な市場価値やこれまでの具体的な実績、新会社でどのように貢献できるかという再現性を根拠として、企業側に自分が提供できる価値を冷静かつ誠実に伝えることが重要です。企業側にも予算枠や既存社員とのバランス(給与テーブル)という事情があるため、お互いが納得できる着地点を見つける姿勢が欠かせません。ご自身で直接伝えるのが難しい場合は、信頼できる転職エージェントに間に入ってもらうことで、プロの視点からスムーズかつ角を立てずに交渉を進めることができます。
|転職だけじゃない!「副業」や「柔軟な働き方」で手取りと選択肢を広げる方法
手取り収入を増やすための手段は、実は「転職して本業の給与を上げる」ことだけではありません。現代においては、今の会社での安定した雇用や生活基盤を守りつつ、「副業」を取り入れて収入の口を増やしたり、将来を見据えて「柔軟な働き方」ができる環境と実力を整えたりすることも非常に有効な選択肢です。
本業の安定+副業でリスクを抑えて手取りを増やす
転職には「新しい人間関係や業務に馴染めるか」という環境変化のリスクが伴いますが、副業であれば現在の安定した本業の収入を維持しながら、月5万円〜10万円といった手取りの「上積み」を狙うことができます。
さらに、副業で得る収入(事業所得など)は、必要経費の計上や確定申告を行うことで、税金に関する知識が深まるというメリットもあります。本業一本だけに頼らない複数の収入源を持つことは、手取り額の増加だけでなく、精神的なゆとりや安心感にも直結します。
「柔軟な働き方ができる環境」と「個人の実力」を手に入れる
副業を展開したり、自分のペースで収入を伸ばしたりするために欠かせないのが、「働き方の柔軟性」と「個人としての実力」です。
- 働き方の柔軟性(環境): リモートワーク(在宅勤務)やフレックスタイム制度、時間単位の有給休暇などが導入されている職場環境であれば、通勤時間や無駄な拘束時間を削減でき、副業やスキルアップのための時間を確保しやすくなります。
- 個人としての実力(スキル): Web制作、ライティング、データ分析、デザイン、マーケティング、コンサルティングなど、場所や時間に縛られずに価値を提供できる実力を身につけておけば、個人で直接案件を獲得して高単価な副業につなげることができます。
この「柔軟に動ける環境」と「会社に依存しない実力」を揃えることができれば、本業・副業のどちらでも成果を出しやすくなり、結果として手取りを増やしながら、自分らしい生き方を選べるキャリアの自由度が一気に高まります。
自分に合った「手取りアップのアプローチ」を組み合わせる
「転職で本業のベース年収を一気に引き上げる」「今の会社に残って働きやすい環境を確保しつつ、副業で着実に手取りを増やす」「まずはスキルを磨いて個人で稼ぐ実力をつける」など、手取りを増やすルートは一つではありません。どれか一つの手段に固執するのではなく、ご自身のライフステージやリスク許容度に合わせた選択肢を柔軟に組み合わせることが、後悔のないキャリア形成につながります。
|目的別・手取りアップを目指す転職サービスの活用法
転職を通じてキャリアを前に進めたいと考えた場合、自分の状況に合ったサービスを選ぶことで、より納得感のある選択がしやすくなります。ここでは、目的に応じた3つの活用法をご紹介します。
経験を活かしてハイクラスな環境へ挑戦したい場合
これまでのキャリアで培った専門性や実績を活かして大幅な収入アップを目指すなら、ハイクラス向けの転職サービスが適しています。こうしたサービスでは、経営に近いポジションや専門職など、一般には公開されていない非公開求人が多く集まります。専門のコンサルタントとの対話を通じて、ご自身の経験が企業のどのような課題解決に貢献できるのかを整理できます。結果として、自分一人では気づけなかった可能性を引き出し、より高く評価してくれる企業と出会える機会が広がります。
未経験から新しい業界で年収アップを目指す場合
今までとは異なる新しい業界や職種に挑戦しながら収入のベースを上げたい場合は、サポート体制の整った総合型の転職エージェントを活用するのがおすすめです。未経験の分野へ飛び込むことは勇気がいりますが、ポテンシャルやポータブルスキルを評価して採用を行う企業も多く存在します。専任のアドバイザーと一緒に「なぜその仕事に挑戦したいのか」「将来どうなっていきたいのか」を言語化し、選考対策や条件交渉などの手厚いサポートを受けることで、不安を和らげながら活動を進めることができます。
今すぐの転職は考えず、まずは選択肢を広げたい場合
今の会社を辞めるべきか迷っている段階や、副業を含めた他の可能性を探っている段階であれば、プロフィールを登録するだけで企業から声がかかるスカウト型の転職サイトが便利です。ご自身の職務経歴を登録しておくと、興味を持った企業から直接オファーが届きます。どんな企業からいくらの年収提示でスカウトが来るかを知ることは、今の自分の市場価値を測る良い指標になります。転職ありきではなく、まずは外の世界の選択肢を知るためのツールとして活用してみてください。
【重要】どのサービスを使うにしても「自分の軸」が最優先
ここまで目的に応じたサービスをご紹介しましたが、どのサービスを活用するにしても一番大切なのは、「自分はどう生きたいのか」「何を優先したいのか」というブレない軸を事前に持っておくことです。軸を持たないまま情報量の多いサービスに飛び込むと、目先の提示年収だけに目が行き、結果的に「残業が多くて副業どころではない」「自分の望む働き方ができない」といったミスマッチを起こしかねません。本格的に求人へ応募する前に、まずは第三者の客観的なキャリア相談などを活用し、自分の現在地と理想の未来を整理しておくことが有効です。
|よくある質問
Q. 転職で手取りを増やすには、現年収からいくらアップを目指すべきですか?
一般的には、現在の年収から10%〜20%程度のアップを一つの目安とするケースが多いです。しかし、手取りを確実に増やすためには、額面年収の増加分だけでなく、翌年の住民税の負担増や、現在の会社で受け取っている住宅手当などの福利厚生が失われる可能性もあらかじめ想定しておくことが大切です。目先の数字だけにこだわるのではなく、各種手当や働きやすさを含めたトータルな環境で判断することが、ご自身にとって後悔のない選択につながります。
Q. 未経験の職種や業界に転職しても手取りを増やすことは可能ですか?
はい、可能です。とくにIT業界やコンサルティング業界など、成長を続けており全体的な給与水準が高い業界では、未経験であってもポテンシャルや過去の経験を高く評価され、現職以上の条件を提示されることがあります。ただし、未経験から高い成果を出すためには、相応の努力と企業側の育成環境が必要です。研修制度が整っているか、採用する側がどのような役割を期待しているのかを事前に確認しておくことをおすすめします。
Q. 転職したら年収は上がったのに手取りが減りました。なぜでしょうか?
もっとも多い原因は、前年の所得をもとに計算される住民税の負担が重くなったことや、前職で支給されていた住宅手当や家族手当などの福利厚生が新しい会社ではなくなってしまったことです。とくに住民税は、転職して最初の1年間は過去の高い年収を基準に引かれるため、一時的に手取りが減ったように感じやすくなります。求人票を見るときは、額面年収だけでなく各種手当や控除される項目をしっかり確認することが重要です。
Q. 副業で手取りを増やす場合、注意すべきポイントはありますか?
副業を始める際は、まず本業の会社の就業規則(副業許可の有無や条件)を必ず確認してください。また、年間で一定以上の副業所得が生じた場合は確定申告が必要になります。本業に支障が出ないよう時間管理を行うとともに、リモートワークなど「時間の融通が利く環境」と「個人で稼げるスキル」を段階的に整えていくことが、無理なく手取りを増やし続けるポイントです。
|未来のキャリアを一緒にデザインする「ミライフ」へ

もし今、あなたが「今の給料のままで将来が不安」「手取りを増やしたいけれど、何から始めればいいか分からない」と一人で悩んでいるなら、ぜひ一度ミライフにご相談ください。 ミライフは、単なる求人紹介を目的とするのではなく、あなたの人生(ライフ)をより良くするためのパートナーとして、100%求職者の方に寄り添ったキャリア支援を行っています。
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今日からできる!転職活動を始めるための3ステップ
記事でお伝えした通り、キャリアを考える第一歩は現状の把握と自己理解から始まります。とはいえ、いきなりすべてを完璧にこなそうとすると手が止まってしまうものです。まずは今日、スマホのメモ帳や手帳を使って、以下の3ステップだけ進めてみませんか?
・毎月の給与明細を確認し、額面、手取り、控除されている税金や各種手当の現状を正確に把握する
・自分が将来「どうありたいか」や「大切にしたい価値観」を思いつくまま書き出してみる
・転職サイトの年収診断ツールに登録し、今の自分の客観的な市場価値を調べてみる
この3ステップを踏むだけでも、次に取るべき行動がグッと明確になります。
まずはカジュアルにお話ししませんか?
「まだ何も決まっていない」「相談するほどの内容じゃないかも……」と遠慮する必要はありません。モヤモヤとした状態のまま、まずはミライフの面談であなたの想いを聞かせてください。
私たちは、あなたが「自分らしいキャリア」を一歩踏み出せるよう、全力でサポートします。ぜひお気軽に、カジュアル面談へお申し込みください。ミライフと一緒に、後悔のない未来をデザインしていきましょう。
株式会社ミライフ
「働く、生きるを、HAPPYに」 をミッションに掲げる、少数精鋭のキャリアデザイン集団。転職ありきではない本質的なキャリア相談と、最新のAI技術を融合させた革新的な支援スタイルが特徴。思考の霧を晴らし、自律的に理想を描き出すユーザーの生涯のパートナーとして、多くのビジネスパーソンをサポートしています。
監修者プロフィール
菅野隼人
株式会社ミライフマーケティング担当/ExecutiveCareerDesigner

京都大学教育学部にて臨床心理学・認知心理学を学んだのち、新卒で株式会社ポケモンに入社。その後、7社10職種を経験。
- デジタルマーケター向けSaaSのカスタマーサクセス
- VR・MR領域のイベント企画・事業開発
- 法人営業向けSaaSのマーケティングマネージャー・ビジネス部門責任者など、複数の業界・業種で確かな実績を残す。
ミライフでは、人事を含む多彩な職種経験、数名規模のスタートアップから数百名規模の企業までの幅広い就業経験、そして業界・業種をまたぐ自身の転職経験をフルに活かした「異色キャリアデザイナー」として活躍中。多様な視点から、個人の本音や理想を引き出す伴走支援を得意としています。
