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MCD卒業生追跡調査レポート完全版

CD参加者のキャリアトランジション(仕事や人生の転機)の実態を明らかにするために、2025年8月21日~9月10日に調査を行いました。調査対象者は、MCD参加者(参加期間2020年3月~2025年6月全10期)で、女性88名、男性104名、計192名(20代64名、30代111名、40代以降17名)です。全参加者にインターネットを通じて、調査票を送り、回答を依頼しました。回答者数は161名(回収率83.8%)でした。

回答結果を見ていきましょう。

 

7割の人が仕事における変化を感じています


まず、MCDに参加してから回答時点までの「仕事ならびにプライベートの変化度」を聞いています。(図表1)。

仕事においては、約4割が「非常に大きな変化があった」と回答しています。「大きな変化があった」を含めると約7割に達しています。プライベートでも「非常に大きな変化があった」が約3割を占め、「大きな変化があった」まで含めると約6割となっています。

(図表1) MCD参加後の変化

MCDに参加してから、仕事やプライベートに、どの程度変化がありましたか。
※参加途中で起こったことも含めてお答えください。
<単一回答/n=161/%>

回答者の属性は、20代が約3割、30代が約6割です。ゆえに、MCDというプログラムがなかったとしても、仕事やプライベートで、数年の間で何かしらの変化がある人は多いと思われるので、変化があったことに関してはMCDの効果かどうかは、このデータだけではわかりません。

次に、変化の内容を見ていきましょう(図表2)。転職している人が約半数います。今の仕事にモヤモヤしている人がMCDに参加していることが多いので、このような数字になっていると解釈できます。逆に、半数の人は、元の職場に残り続けているというところも注目すべきポイントです。過去を見つめ、自分と向き合い、そして未来を考えた後で、あらためて、現在の職場を選択しているということです。そのうち社内で異動した方もいますが、同じ仕事に向き合っている人もいます。隣の芝生は青く見えていただけで、実は、今の仕事や今の職場は、自分に向いていることを再発見した人もいるということです。

新しいことを学び始める人、人的ネットワークを広げる人も、約半数います。どちらもキャリア形成行動です。

(図表2) MCD参加後の変化の内容

MCDに参加してから、仕事やプライベートに、どのような変化がありましたか。あてはまるものをすべてお選びください。
※参加途中で起こったことも含めてお答えください。
<複数回答/n=161/%>

 

 

MCDに参加して、9割弱の人がアクションをしています


変化について、もう少し詳しく聞いてみました。MCDプログラムを受けて、何らかのアクションをしたのかどうかについてです(図表3)。

「MCD参加中から、一歩踏み出すことができた」が34.8%で最多です。MCDは3カ月にわたって行われますが、その期間中にさまざまなワークショップがあり、そこで刺激を受けて、何らかのアクションを行っている様子がわかります。

「MCD参加後、すぐに一歩踏み出すことができた」「MCD参加後、少し間が空いてから、一歩踏み出すことができた」「あまり意識していなかったが、気づいたら一歩踏み出していた」も合わせると、現在までの間に一歩踏み出すことができたという認識があった人は85.7%になっています。MCDに触発されて、多くの人がアクションしたと思われますが、MCDに参加している人はそもそも行動的な人なのかもしれません。

そこで、一歩踏み出せたという人に、MCDに参加していなくても一歩踏み出せたかをたずねたところ、「一歩踏み出せたと思う」という人は6.5%でした(図表4)。一方で、「一歩踏み出せたかもしれないが、もっと時間がかかったと思う」が55.1%で最多。「MCDに参加していなかったら、一歩踏み出せなかったと思う」という人が23.9%います。MCDへの参加がきっかけとなって背中を押されて、何らかのアクションにつながった様子が示唆されます。

(図表3) MCD参加後一歩を踏み出せたか

MCDに参加して、あなたは一歩踏み出すことはできましたか。最もあてはまると思うものを1つお選びください。
※「一歩踏み出す」とは、ご自身なりの感覚でかまいません。例えば、新しいことを始める、これまでとやり方を変える、環境を変える、考え方や意識を変えるなど、これまでとは違う状態に一歩踏み出すイメージです。<単一回答/n=161/%>

(図表4) 参加していなくても一歩を踏み出せたか

「一歩踏み出すことができた/踏み出していた」とお答えいただいた方に伺います。仮にMCDに参加していなかったとしても、一歩踏み出せたと思いますか。
<単一回答/n=138/%>

 

 

MCD参加時、どんな意識を持っていたのでしょうか


MCDに参加して、一歩踏み出した人が多いことを見てきましたが、そもそもMCDに参加した時には、どのような意識で参加していたのでしょうか。今の環境に不満を感じているのか、将来に対する不安を持っているのか、どんな気持ちだったのか、聞いてみました(図表5)。

回答結果を見てみますと、「今の環境に不満。すぐに転職したい」6.8%、「今の環境から出たいが、特にやりたいことはない」21.1%、「今の環境は悪くないが、このままでいいのかなんとなく不安」53.4%、「今の環境は悪くないが、やりたいことがある」8.1%となっています。

MCD参加者は、今の環境は不満。あるいは、このままでは不安。でもやりたいことがわからないという人が多数を占めています。一般の社会人にも現状に不満を持っている人、今後に不安を持っている人は多数いますが、MCDにきている人たちは、自分でお金を払ってきている人たちですので、自分のキャリアに対する問題意識が高い人であることがわかります。

ただ、一般の社会人の中には、自分の中にある不満や不安に気がついていない、あるいは、気がついているものの、それに対峙することに蓋をしているということも考えられます。

(図表5) 参加時の意向

MCD参加前のあなたの気持ちとして、最もあてはまると思うものを1つお選びください。
<単一回答/n=161/%>

 

 

MCD参加前、8割弱の人が「このままでいいのだろうか」と悩んでいました


不満、あるいは不安の感情を総じて、「モヤモヤ」と称した時、どのようなモヤモヤがあったのでしょうか(図表6)。

「3.自分はこのままでいいのだろうかと、漠然と思い悩む」が最多の78.3%ですが、「8.やりたいことがわからない」「9.強みがわからない」「5.つい人とくらべてしまう」などのモヤモヤをかかえている人が4割以上いることがわかりました。

(図表6) 参加前のモヤモヤ

MCD参加前にキャリアに関するモヤモヤがありましたか。当時感じていたこととして、あてはまるものをすべてお選びください。
<複数回答/n=161/%>

 

 

MCDへの参加により、モヤモヤは解消しています


「3.自分はこのままでいいのだろうかと、漠然と思い悩む」というモヤモヤを抱えている人は78.3%でした。一方で、MCDに参加して67.7%が解消されていることがわかりました(図表7)。参加前にモヤモヤを抱えていた人の全員ではありませんが、8割以上の人はモヤモヤが解消されたと考えられます。なお、MCD参加とは関係なく解消されたモヤモヤも一定数あることがうかがえます。

参加前には、「11.キャリアについて相談できる人がいない」と回答していた人が37.9%でしたが、MCDに参加することによって、「相談できる人がいない」という問題が解消された人が47.2%となっています。参加前には課題と認識していなかった場合でも、MCDで相談できるコミュニティやメンターとの体験を通じて、実はそれが課題であって、その問題が解消されたと気づくことがあると考えられます。

(図表7) モヤモヤの解消

MCDに参加して、キャリアに関するモヤモヤは解消されましたか。解消されたものとして、あてはまるものをすべてお選びください。
<複数回答/n=161/%>

 

 

「旗(※1)を立てる」ことの困難性とその有効性


MCDプログラムは、自己理解をして、未来を展望し、「旗」を立てて、仲間の前で発表して、その「旗」を指針として、次の行動を促進することを目的にしています。そういう意味で、「旗」を立てることはプログラムのメインイベントです。

その「旗を立てること」ならびに「立てた旗」に関する認識を尋ねました(図表8)。その回答を見てみましょう。

「5.自分一人では旗を立てることはできなかったと思う」という人が66.5%います。旗を立てることの困難性を物語ります。一人で立てるのが難しいと思った人がこのプログラムに参加しているという解釈もありますが、自分のキャリアをなんとかしようと思っている人でさえ、3分の2の人は、一人で立てるのが難しいと考えるのが自然と思われます。

また、「9.立てた旗の内容よりも、旗を立てるプロセスや、旗を立てたこと自体がよかった」に関しては、半数以上の人が選択しています。旗を立てるプロセス、あるいは自分で決めて皆の前で宣言することによって一歩前に進むことができて良かったということです。

さらには、「3.旗は立てた後に変えてもいいとわかって、立てることができた」を選択している人が51.6%います。ちゃんとした旗を立てないといけないと思うとうまく立てられないという人が半数いるということです。仮でもいいから旗を立ててみる。そして動いてみる。動いてみて違うと思えば、旗を立て直せばいいということを学んでいると思われます。

(※1)目指す姿、大事にしたい価値観など、次の行動を起こす際に自分を動かすキャッチフレーズ

(図表8) 「旗を立てること」の困難性と有効性

MCDで「旗を立てる」ということや「立てた旗」について、あてはまるものをすべてお選びください。
<複数回答/n=161/%>

 

 

9割以上の参加生が旗は有効であったと言っています


単刀直入に、「旗を立てること」は有効ですか、と聞いています(図表9)。

「とても有効である」62.1%、「有効である」31.7%という回答でした。合わせて93.8%です。ほとんどの方が有効だったと答えています。

考慮しなければならないことは、MCDに参加したけれど、調査に回答しなかった人が2割います。その人たちは、もしかするとMCDプログラムあるいはMCDで立てた「旗」に不満があったかもしれません。そのような人を考慮しなければなりません。ただ、そのような人がネガティブであったとしても、8割以上の方が「旗」が有効であると回答したといえます。

(図表9) 旗の有効性

より良い人生、キャリア構築のために、あなたにとって「旗を立てること」は有効だと思いますか。
<単一回答/n=161/%>

「Willハラスメント」あるいは「ドリームハラスメント 」という言葉があります。「あなたは何がやりたいのですか」「あなたの夢は何ですか」と言って、追い詰めるハラスメントをいいます。問いかけている人は、追い詰めているつもりはないかもしれませんが、問いかけられている人は「やりたいことがわからない」「自分の夢と言われても困る」と思っています。前述したように、旗を立てることは簡単なことではありません。その難しさを理解しないで、無邪気に、やりたいことや夢を聞かれても困るということです。

しかしながら、一定期間、一定の手順を踏んで、場を用意していって、本人が本気でコミットすれば、「旗」はつくれるし、その「旗」は有効であるということがこの調査から分かります。

 

 

MCD以前の自分に対して、MCDを勧めたいです


MCD参加者に、「MCD以前の自分に対して、「MCDを受けたほうがいい」と言える」か、「キャリアでモヤモヤしている人に対して、MCDを勧める」か、聞いています(図表10)。肯定的な回答(「あてはまる」「どちらかといえばあてはまる」)は、前者が95.7%、後者が96.7%になっています。回答者のほぼ全員がMCDを推奨しています。ただ、ここでもMCDを参加したけれども、この調査に回答しなかった人が16%程度いますので、その分は割り引いて考える必要があるかもしれません。しかしながら、あらためてMCDは、キャリア形成支援に役に立つと参加者は考えているといえるでしょう。

(図表10)MCDの推奨

以下のことはどの程度あてはまりますか。
<単一回答/n=161/%>

 

MCD参加者は普通の社会人と違うのでしょうか


MCD参加者は、10万円弱のお金を払って、3カ月間、6回のワークショップを通じて、自分のキャリアについて考えたいと思っている人たちです。そういう意味では、キャリア形成への関心が高い人たちであると思われます。

一般の社会人※2)とどのように違うのか、キャリアに関する意識を見てみましょう(図表11)。

以下の質問に対して、肯定的な回答(「とてもそう思う」「そう思う」「ややそう思う」)した人の割合です。

(図表11)キャリアに関する意識

以下の「自律的・主体的なキャリア形成」に関する考えについて、どの程度そう思いますか。
<単一回答/n=161/%>

(※2) ここで、一般の社会人として参照にしている対象者は、リクルートマネジメントソリューションズ(2021)「若手・中堅社員の自律的・主体的なキャリア形成に関する意識調査」の調査対象者です。25歳から44歳の従業員規模300名以上の会社勤務の正社員613名です。参考情報としてご参照ください。

図表11

参考調査 出所:リクルートマネジメントソリューションズ(2021)「若手・中堅社員の自律的・主体的なキャリア形成に関する意識調査」

MCD参加者は、MCD参加後の回答になります。MCDに参加して意識は変わった可能性もあるため、MCD前に同じような回答であったのかどうかは分からないということを考慮する必要がありますが、「1.自分自身は、『自律的・主体的なキャリア形成』をしたい」人は、一般の8割に比べてMCDの人はほぼ全員でした。

「2. 『自律的・主体的なキャリア形成』を求められることに、ストレスや息苦しさを感じる」人を見てみると、一般の64.8%に対して、MCDの人は29.2%と半数以下になっています。「自己理解」と「未来展望」をつくっていくプロセスを理解していくと、そのキャリア形成のストレスが減っていくのではないかと考えられます。そのことは、そのプロセスを学んでいない、「5.多くの人にとって『自律的・主体的なキャリア形成』は難しい」と、MCD参加者の7割程度回答していることに表れています。

未来に対する展望についても聞いています(図表12)。

(図表12)未来展望

以下のことは、あなたにどの程度あてはまりますか。
<単一回答/n=161/%>

図表12

参考調査 出所:リクルートマネジメントソリューションズホームページ「2040年働き方イメージ調査からの考察 vol.2 働く人々の未来展望と人生の満足度」 https://www.recruit-ms.co.jp/research/study_report/0000001457/

「1.自分の未来が明るいと思う」一般の社会人は26.3%に対して、MCD参加者は87.0%です。一般の人と比べると、MCD参加者は、未来に対する展望が明るく、よく見える状態になっていることがわかります。MCD参加前に、未来に対して、8割の人がモヤモヤしてことを考えると、MCD参加による効果が示唆されます。

ここからわかることは、未来に対してモヤモヤしている人は、丁寧に自己理解を進め、未来を展望するためのワークを行うことで、そのモヤモヤは晴れていくことが多いではないかと思われます。

 

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