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安定と挑戦の間で揺れる人のキャリア整理術

作成者: miraiflog|Jan 15, 2026 4:33:55 AM

誰もが知っている名の知れた企業。毎月安定して振り込まれる給与。大きなトラブルもなく進む仕事。上司や同僚との関係も悪くない。

客観的に見れば恵まれた環境にいるはずなのに、なぜか心のどこかが満たされない…。そんな感覚を抱いたことはないでしょうか。

ふとSNSを開くと、最近よく社名を耳にするベンチャー企業に転職し、イキイキと働く同世代の姿が目に入る。「裁量が大きい」「スピード感があって楽しい」という言葉に惹かれる一方で、「今の安定を手放してまで挑戦すべきなのか」「失敗したらどうなるのか」と、不安がブレーキをかける。

この、「安定しているのにどこか満たされない」という感覚は、特に30代前半〜中盤で、多くの人が直面するテーマです。

これまで積み上げてきたキャリアの安心感と、新たな環境で試されるスピードや裁量。その間で揺れながら、「自分はこの先どんなキャリアを歩みたいのか」を考え始めるタイミングなのかもしれません。

そこで本記事では、大手とベンチャーという二つの環境を天秤にかけ、安定と挑戦の間で揺れ動く時の「心の整理術」を解説します。

今の環境に留まるにせよ、新しい世界へ飛び出すにせよ、大切なのは自分自身の「納得感」です。モヤモヤとした不安を解消し、後悔のない選択をするためのヒントを一緒に探っていきましょう。

 

「安定vs挑戦」で生まれるモヤモヤの正体

安定した環境にいるはずなのに、なぜモヤモヤが消えないのでしょうか。その背景には、いくつかの共通点があります。

1. 「多くの人が正解だと思いがちな選択」を重ねてきた違和感

新卒の就職活動の時、「大手=安心」「名前を知っている会社が正解」という空気の中で進路を選んだ人は少なくないでしょう。

しかし、大手企業の場合はスケールの大きな仕事に携われる一方で、業務は細分化され、自分の影響範囲は限定的。 「この仕事は自分でなくても回るのでは?」と感じる瞬間が、少しずつ増えていくことが多いです。

2. 周囲との比較で強まる焦り

同世代が転職や挑戦をしている話を聞くと、「自分はこのままでいいのだろうか」「取り残されているのではないか」という焦りが生まれるかもしれません。

その一方で、具体的に動く勇気が出ないまま時間だけが過ぎ、モヤモヤが積み重なっていくケースも少なくないでしょう。

3. 「変化=リスク」という思い込み

安定した環境を手放すことに不安を感じるのは自然なことです。ただ、変化の激しい今の時代では、「何も変えないこと」そのものがリスクになる場合もあります。

重要なのは、「安定か挑戦か」という二択でなはく、今の環境を選び続けることがどんな未来につながるのかを考えることことです。

 

その「安定」は、本当にあなたを守ってくれるのか?

多くの人が無意識のうちに、「大手企業にいれば安定だ」と考えています。確かに、会社の規模や知名度、制度の充実度は、日々の安心材料になるかもしれません。

ただ、一度立ち止まって考えてみてほしいのです。その安定は、「会社が安定しているから」成り立っているものなのか、それとも「自分自身がどこでも通用する経験やスキルを持っているから」成り立っているものなのか。

実際、大手企業であっても、事業再編や組織改編、突然の異動や出向は珍しいことではありません。会社は潰れなくても、環境や役割が大きく変わることは十分にあり得ます。

ミライフのキャリアデザイナー・山田も、新卒で大手企業に入社した当初は、「このまま定年まで働くのだろう」と深く考えずに過ごしていたそうです。

しかし、想定外の環境変化をきっかけに、「安定とは、会社にしがみつくことではなく、自分の経験やスキルによって選択肢を持つことではないか」と考えるようになったといいます。

この視点で捉えると、「今の環境に残るか」「外に出るか」という問いは、もはや転職の話ではありません。それは、自分のキャリアの主語を、会社に預け続けるのか、自分の手に取り戻すのかという問いなのです。

 

専門家の視点:Career Designer 山田のアドバイス

大手企業と成長ベンチャーの両方を経験してきたキャリアデザイナーの山田は、次のように語ります。

「安定か挑戦か、という問いの前に、『自分は何にモヤモヤしているのか』を整理することが大切です。環境を変えることが正解の人もいれば、今の環境で挑戦した方が合っている人もいます」

山田 篤
Executive Career Designer

早稲田大学卒。日立製作所で約8年にわたり、通信・ネットワーク機器およびクラウド、ソリューションサービスの営業に従事し、新規顧客開拓、パートナーセールスに携わる。

30歳を機に国内大手のヘッドハンティング企業へ転身。製造業、流通/小売、建築不動産、IT/WEBなど幅広い業界を担当し、大企業及び中小・ベンチャー企業の経営課題を解決すべくヘッドハンティング業務に取り組む。その後、リクルートグループのエグゼクティブサーチファームにて経営幹部(CxOクラス、営業・マーケティング責任者、管理部門全般)のサーチを手掛ける。

2023年12月、ミライフに入社。主にエグゼクティブ領域の人材・クライアント支援の拡大を担当。

実例①:大手企業で働き続けることに違和感を抱いた女性・Aさん(33歳)

Aさんは新卒で大手メーカーに入社し、営業企画として着実にキャリアを積んできました。福利厚生も整い、周囲からは「順調だね」と言われることが多かったといいます。

一方で30代に入った頃から、「仕事は回っているけれど、自分がいなくても成立する」「成長している実感が薄い」という違和感を抱くようになりました。

いきなり転職する決断はできず、Aさんはまず社内での挑戦を選びます。部署を横断した新規プロジェクトに手を挙げ、前例のない業務に関わる中で、「安定が嫌なのではなく、裁量と当事者意識を求めていたのだ」と気づきました。

その後、準備期間を経て、成長ベンチャーへ転職。現在は事業企画として、経営の意思決定にも関わりながら働いています。

実例②:ベンチャー志向だと思い込んでいた男性・Bさん(36歳)

BさんはIT系の大手企業で10年以上働き、マネジメント経験もある人材でした。「もっとスピード感のある環境で挑戦したい」と考え、ベンチャー転職を検討していました。

しかし、これまでの経験を踏まえて自己分析を進める中で、仕組みや役割が曖昧な状況では、パフォーマンスを発揮しづらい傾向があることが明らかになりました。

結果としてBさんが選んだのは、ベンチャー転職ではなく大手企業内の新規事業部門への異動。組織基盤のある環境で挑戦できるポジションに移ったことで、「安定」と「挑戦」のバランスが取れた働き方を実現しました。

 

描きたいキャリアを整理する3つのステップ

山田は、安定と挑戦の間で迷っている人に、次の3つのステップで自分の考えを整理することを勧めています。

■ ステップ1:安定軸・挑戦軸を「具体的な言葉」で書き出す

頭の中で考えるのではなく、紙やメモに書き出してみましょう。

安定軸では、
 毎月の収入はいくらあれば安心できるのか
 残業時間や働く時間帯に、どこまで許容できるのか
 将来のライフイベントをどう考えているか

挑戦軸では、
 どの程度の裁量や意思決定に関わりたいのか
 どんなスピード感や変化量ならワクワクできるのか
 「成長している」と実感できるのはどんな瞬間か

抽象的な言葉を、自分なりの具体表現に落とし込むことがポイントです。

■ ステップ2:これまでの経験を「ベンチャーマインド/アンラーン」の観点で棚卸しする

これまでの仕事を振り返り、

主体的に動いた経験(ベンチャーマインド)
正解のない状況に向き合った経験(ベンチャーマインド)
過去のやり方を手放した経験(アンラーン)
自分の役割や前提を問い直した経験(アンラーン)

を書き出してみましょう。

重要なのは、できているかどうかを評価することではありません。自分がどんな環境で力を発揮しやすいか、どこでストレスを感じやすいかを知ることが目的です。

■ ステップ3:5年後の自分を「2パターン」で想像する

今の安定の中で働き続けた5年後と、環境を変えて挑戦した5年後。それぞれについて、
 「どんな一日を過ごしているか」
 「その選択をした自分をどう感じるか」
 を具体的に想像してみてください。

どちらが正解かではなく、どちらの自分により納得感があるかが判断軸になります。

 

整理した先にあるのは、「決断」ではなく「一歩目」

3つのステップを通して見えてくるのは、「今すぐ転職すべきかどうか」という答えではありません。

自分はどんな環境で力を発揮しやすく、どんな状態に違和感を覚えやすいのか。その輪郭が、少しずつ明確になってくるはずです。

「キャリアの相談を受けていて感じるのは、多くの方が『迷っている状態はよくない』『早く決断しなければならない』と思い込んでいることです。でも実際には、いきなり答えを出す必要はありません。判断軸が整理できれば、次にやるべきことは自然と見えてきます。

それは転職かもしれませんし、現職での挑戦や準備期間かもしれない。重要なのは、主語を自分に戻した状態で、一歩目を選ぶことです」

その輪郭をもとに考えたいのが、「どう動くか」という視点です。現職で裁量のある役割に手を挙げるのか、異動や兼務といった選択肢を探るのか。あるいは、外の環境を知るために情報収集を始めるのも一つでしょう。

白黒をつけることは、その後でも大丈夫です。自分なりの判断軸を持ったうえで、小さな行動を起こすこと。その一歩が、これからのキャリアに確かな納得感をもたらします。

 

まとめと次の一歩

安定と挑戦のどちらが正解、という答えはありません。ただ、「会社が安定しているから」「今は困っていないから」という理由だけで選び続けることは、気づかないうちに選択肢を狭めてしまうことがあります。

もしここまで考えてみて、「一人では整理しきれない」「具体的にイメージしづらい」と感じたなら、第三者と一緒に言語化するのも一つの方法です。

ミライフでは、転職ありきではなく、「あなた自身にとっての安定とは何か」を言葉にするところからサポートしています。「安定か挑戦か」で揺れているのは、前に進みたいと思っている証拠。必要であれば、私たちミライフを頼ってください。